将来負担比率の全国比較(R1)
健全化にむけて

財政のこと / 将来負担比率の全国比較(R1)

 市町村類型Ⅳ-2の全国63町を比較してみました。

町の財政健全化に向けて

下水道や簡易水道の債務額は計画的に減らされていますが、実はそれぞれの特別会計の単年度決算は赤字なので、歳入不足分が一般会計からの補てんで返済に回されています。

なので、結局は各会計ではなく町全体の「地方債ー基金」(=「地方債の合計」ー「基金の合計」)を見て、縮減を考える必要があります。

グラフから、町全体では、
2017年~2019年に悪化し、それまで改善してきたものが2012年のレベルに後戻りしてしまっています。(2020年はやや改善。)

これからどうすべきか、
発行済み地方債の繰上げ償還に金利上のメリットはありませんので、予定通りの元利返済に加え、
① 町債の新規発行をいかに削減するか
② 返済に充てる基金をいかに積み上げるか
が必要なはずです。

市町村類型Ⅳ-2の3町の比較です。県内の昭和町もⅣー2ですが将来負担比率は0以下(健全)で比較できませんので埼玉県滑川町と並べてみました。
将来負担比率=(将来負担額合計ー充当可能財源額合計)/(標準財政規模ー(歳入公債費等))*100
充当可能財源額合計には、償還残高に係る基準財政需要額算入額(すなわち国の見てくれる分)が含まれます。

これからどうすべきか、
まずは、一般会計に係る地方債の現在高を、町の単年度の会計規模(約100憶円)以下に減らすために取り組むべきではと考えます。

町村類型Ⅳ-2の63町を順に見ていくと、気になる町が幾つかあったのでグラフにして控えておきます。
北海道当別町(とうべつちょう)は将来負担比率を5年で半減、北海道白老町(しらおいちょう)は5年で1/3です。
当別町は財政運営計画、白老町は財政健全化プランを策定して実施されています。

将来負担比率比較R1(町村Ⅳー2)

令和元年度町村類型Ⅳ-2の63町村をこの際一通り見てみます。

将来負担比率の大きさは、将来負担額の多さというより、充当可能財源の少なさに、より起因するのかもしれません。

とはいえ、各町の財政健全化プランをみると、
・財政収支の均衡
・投資抑制
・繰上償還
・交付税算入率の高い起債を発行
により地方債の残高を増やさず減らさないと始まらないようです。

ならばこの際、63町村のうち将来負担比率がマイナスの22町村を除く41町村の3年間の比較グラフを見比べてみることにしました。
市川三郷町は、町の規模に対して起債額が大きすぎるように見えます。

将来負担比率63位~55位:55石川県能登町(人口約17,000人)は標準財政規模も大きめですが起債残高がずば抜けて大きいです。

将来負担比率54位~47位:48北海道当別町の改善が目に留まります。

将来負担比率46位~39位:45大阪府忠岡町と39北海道白老町の改善が目に留まります。

将来負担比率38位~31位:好成績です。37岐阜県北方町と32福岡県築上町の改善が目立ちます。

将来負担比率30位~23位:充当可能財源が将来負担額より多ければ、将来負担比率はナシです。25京都府大山崎町の改善率が目立ちます。

第一のまとめ R3/10/10
結局、町村累計Ⅳー2グループの比較からなんとなく見えたのは、
・市川三郷町より
起債総額が大きいのは1町のみ(55石川県能登町)。 → 減らしたほうが良さそう。
・市川三郷町より
一般会計上の起債残高が大きいのは3町のみ(55石川県能登町、58熊本県御船町、63奈良県平群町)。→ 減らしたほうが良さそう。
・基金の残高は、これからの事業計画への対応含め、各町村それぞれ。 → あえて取り崩して繰上げ償還にあてるほどでもなさそう。
・充当可能な財源を見越せない(財源の裏付けのない)事業の起債が、財政指標への悪影響大。逆に、充当可能な財源の裏付けさえあれば、起債の総額が多くても将来負担比率は低い。 →
補助率交付税措置率の低い新事業は当分控えるべき??
・身の丈に合った事業計画が必要だと思われる。

以上のように町の規模や諸々の指数および改善の経緯などをⅣー2各町村と見比べてくると、今の60市川三郷町は48北海道当別町から学ばせて頂くことがたくさんありそうです。なのでまずは遡っての比較です。

ここまで検討しながらデータが揃いましたので、整理して表示を統一したグラフに上記差し替えました。R3/10/10記